一般公開用「学光」秋号
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 では、今取り組んでいる科目のテキストの中から適当な章を選んで論理の筋を読み取ってみましょう。その際、(1)「読書メモ」を取りながら重要な箇所に線を引いたり印をつけてください。テキストの余白には簡単なコメントを書き込んでください。次に、(2)レポートにポイントです。自分が決めた簡便な方法を貫いてください。ルールを複雑にすると長続きしませんし、読むたびにやり方を変えたりすると誤解を生む原因になりますので避けてください。また、図書館で借りた公共の図書や他人の書物には絶を鉛筆で記入します。鉛筆を使用する理由は後で修正が必要になるからです。 ③情報カードの〈中央部分〉には【本体】となる以下の内容を記入します。すなわち、【要約】・【パラフレーズ】・【引用】・【コメント】のどれか一つか、それらの組み合わせを記入します。それぞれの内容を簡単に説明しますと、【引用】とはそのまま文献から写し取った文章のことで、その部分には必ず「引用符」を付けなければなりません。【パラフレーズ】とは抽象的な言い回しや複雑な内容を自分の言葉で分かりやすく言い換えたり詳しく説明したりした文章です。【要約】は原文の要点を圧縮した文章ですが、要約文は原則として「問い+説得理由+主張(あるいは結論)」から構成されていることを覚えておきましょう。④カードの〈下段〉に【文献の完全な書誌データ】(著者、発行年、書誌名、出版社、該当ページ)を明記します。以上の内容を網羅した B6番のカード(標準形)が「情報カード」です。図示しておきますので参考にしてください。利用できる有用な情報を「情報カード」に記録して、それらを差し替えたり組み合わせたり分析したりして、今度はご自分が作成するレポートの論理展開の道筋やパターンを幾通りか比較し検討してみましょう。対に書き込みをしないようにしてください。この点は、私たちが日常生活を営む上での基本的なマナーです。社会人が大切にしている儀礼的ルールを守ってください。ディア、1引用が原則です。複数の情報を1枚のカードに盛り込んではいけません。②長い引用や一連の同一データの場合には、カードの裏側を使わないで2枚以上のカードに分割して記入するようにします。2枚以上にわたって同じ情報が続くときには、〈上段中央〉の【見出し】の部分に1/2、2/2のように順番が分かるように明記します。③情報カードは、最初のうちは欲張ってできるだけ多く作る方がよいでしょう。④情報を整理する際は、一貫した方法でシステマティックに行うと効果的です。複雑にしたりその都度やり方を変えるようなことをすると、情報カードの本来の意味と効用を失ってしまいますので注意してください。CHECK!学光ポータルTOPページの「学修支援だより」から2022年4月以降の自立学習入門講座が閲覧できます。過去の内容は、同じく学光ポータルTOPページの「デジタル副教材」から閲覧ができます。LIGHT OF LEARNING vol.214■「読書メモ」を取る時の留意点 読むときは読む行為に集中し、自分の本であれば、線を引いたり、欄外にチェックを入れたり、簡単な覚書程度のメモを書き込む程度に止めます。読書メモを取るときは、ルールを複雑にしないことが2. 「情報カード」 ─最も効果的な情報整理の方法─■「情報カード」を作る目的と効用 情報カードとは、書物なり論文なりに関する有用な情報を正確に記入するためのカードのことです。こうしたカードを作成する目的は、基本資料から得た情報と情報を組み合わせたり、分析したりして問題意識を高め、レポートの論理構成を考えるためです。「主張の根拠」となるデータ集や鍵となる「引用」を選び出し、「一連の考察」を付加するときに役立ちます。3. レポート学習のスキルアップのために■実践的な「情報カード」の作り方 (標準形) 「情報カード」は次のような決められた手順に従って作成します。①カードの〈上段中央〉に【見出し】(キーワード)を、〈上段左肩〉に【日付】を記入します。②カードの〈上段右肩〉にレポートのどの部分に使うかを示す【資料索引記号】(番号でも項目名でもどちらでも可)■「情報カード」を作るときの留意点 ①B6版のカードは片面だけを使用します。1枚のカードには、1概念、1アイ

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