一般公開用「学光」冬号
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けいむし8さんたから学びの無形資産こそ心の財さらなる学びの価値創造をLIGHT OF LEARNINGvol.3通信教育部長吉川 成司 駅前の証券会社にこのようなポスターが貼ってありました。「先生、『資産形成』って何ですか?」 大手学習塾の新聞全面広告の文面にこのようにありました。「大人の皆さん、最近『学習』していますか」、「誰もが『学習者』であることを求められる時代」。 この2つの話題、関係がないように思われるでしょうか? 2022年度の夏期スクーリング開講式に、創立者・池田大作先生は、通教生の皆さんに大いなる期待を込めてメッセージを寄せてくださいました。 「『人生100年時代』にあって、『無形資産』―金銭等では表せない、豊かな学びや人間関係、また生き方の内実に注目が集まっています」と。そして「皆さんこそ、まさに時代が希求する『心の財(たから)』のパイオニアの一人一人です」。 この「無形資産」とはどのようなものでしょうか。リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットの『ライフ・シフト』(2016年、東洋経済新報社)を手がかりに考えてみましょう。 彼らによれば、「人生100年時代」といわれるように、人はライフステージの移行をこれまでより多く経験する「マルチステージ」の人生が到来すると言います。「教育→仕事→引退」だけの人生ではなくなり、人生の選択肢が多様化するというのです。そうなると、自分の生き方を主体的に築きながら人生をどのように展望するかが問われることになります。「何を大切に生き、何を人生の土台にしたいのか」と。 彼らによると、こうした社会においては、金銭的な有形の資産にとどまらず、家族や友人関係、知識、健康といった「見えない資産」とのバランスをとることが重要になると述べられています。その「見えない資産」は、生産性資産、活力資産、変身資産の3つに大別されています。生産性資産とは、新しい知識やスキルなど仕事の生産性を高めてくれるものです。活力資産とは、身体的・精神的な健康と幸福をもたらします。変身(トランスフォーム)資産とは、人生の途上における変化と新しいステージへの移行を成功させてくれます。このように、家族や友人関係、知識、健康といった見えない無形の資産に眼を向けて自らを再創造することが、これからのマルチステージ化する人生に欠かせないというのです。 冒頭の2つの話題、結びついてきましたでしょうか。最終学歴も大切ですが、これからの時代は、今何を学んでいるのか、いわば最新学習歴が大切になるのです。通信教育は、働きながら学ぶ大人にとって、無形資産を築きゆく有力な学びの道です。この点、私たち創大通教には、ICTを積極的に活用した、学びやすい環境が整っています。そして何より、本学が理念として掲げている価値創造は、「心の財」を第一とするものです。「皆さんこそ、まさに時代が希求する『心の財』のパイオニア」であるとの創立者のご指導通り、来年度に向けてさらなる学びの価値創造を期待しております。message来来年年度度のの学学修修にに向向けけてて

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