自立学習入門セレクションSelectionセレクション11 「会社法」の例で考えてみましょう。甲株式会社(以下「甲社」という。)の代表取締役社長Yの経営方針や経営行動に対して、取締役会の取締役の構成メンバーが9名で、そのうち他の取締役ら8名が、この代表取締役社長Yを解職して、取締役Zを代表取締役社長に新たに選定することが、甲社社内において議論がなされ、令和6年1月30日の甲社取締役会において、Yの解職議案が提案されたとします。この甲社取締役会での解職議案の審議について、Yは出席できるのか、審議で意見を述べることができるのか、最終的に議案の可決を防ぐためにYは反対票を投じることができるのか、というものです。 法的三段論法で解答を探す場合、まず、テキストに記載があるか、ある場合、どのように書いてあるかを探すことが大切です。本例は会社法の基本的な重要論点ですので、どのテキストにも必ず何らかの記載はあるはずです。教授「会社法」の例で考えてみよう論理学上の三段論法(「大前提」・「小前提」・「結論」)を法律学に転用したものを「法的三段論法」といいます。法律学を学び、法律学の解釈を身に付けようとするとき、この法的三段論法を学び会得することが、法律学のイロハであり、法律学を学ぶ究極の目標でもあります。これまで機関紙■学光■で連載してきた自立学習入門講座の中から、特に大事なポイントとなる回を自立学習入門セレクションとして紹介いたします。自立学習入門講座46Introduction to independent learning黒木 松男法的三段論法を身に付けよう自立学習入門
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