学光春夏号(2024)
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連載第四回 「池田思想研究の新しき潮流」より 21前号「4.人間教育のモデルとしての創大通教」の続きからご覧ください。 人間教育のモデルとしての条件として、今ひとつ重要なことは、教師と学生の双方向からの学びが存在するということであろう。教育の世界では、ともすれば、教師が学生に教えるという側面だけが強調されがちであるが、教育の真の醍醐味は、教師自身もまた、学生から学び、教えられるという点にある。 モデルとしての人間教育には、学生が教師に学び、教師もまた学生に学ぶというツー・ウェイでの学びが存在するということであろう。教師と学生の双方向での刺激、触発こそが人間教育の原点であるといってよい。筆者の長年にわたる創価大学での教職経験からも、この双方向での学びの体験を実感できるのが、創価大学通信教育部である。 池田は、「互いの人格や生き方に『感化』される」(池田 1970)ことが教育の本来のあり方であり、「触発によって使命感を与えた時、人間は大きな力を発揮していく」(池田 2010,p.77.)と述べているが、この「感化」や「触発」の力学は、教師から学生への関係だけにとどまらず、学生から教師へというベクトルも含まれている。優れた学生の存在によって教師が触発を受けるとき、教師もまた、使命感をより一層、駆り立てられ、さらに魅力ある教師へと成長を遂げることが可能になる。 授業の合間に、互いに満面の笑みを浮かべながら、幸せそうにインデックスは、ページのメインの色にしてください。その下の文字はスミでお願いします。まがり(4)教師と学生の双方向による「学びの場」創価大学通信教育部40周年記念論文集『池田思想研究の新しき潮流』より池田思想研究の新しき潮流第四回創大通教と池田大作の人間教育鈎 治雄(本学名誉教授)

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