814LIGHT OF LEARNING vol.ありません。精神活動の機能と構造の解明を通じて、人間性の本質を探究するところにその意義あるといえましょう。また、心理学と一口にしてもさまざまな分野があります。本学通信教育部で学ぶ内容は、概論を基礎として、子どもの教育と関連する発達や学習について、また心の適応にかかわる臨床心理やカウンセリングについてです。心理学の特徴は価値中立的な認識に基づいている点にあります。さまざまな専門用語の多くは、良い悪いではなく、中立的な意味で用いられるのです。たとえば、心理学において、発達とは望むべき方向へ上昇する変化だけではなく、衰え下降する変化も含んでいます。テキストの内容を理解する上では、この点をふまえておくことがポイントになります。また、教員採用試験を実施する各自治体では、それぞれの地域で求めている教員像などをふまえて、教職のキャリア発達の道筋を示した「教員育成指標」が策定されています。さて、テキストや参考図書が大事なのは当然ですが、教育や青少年に関する新しい情報やデータは、新聞、テレビ、インターネット等で得ることができます。普段から関心をもって、学校や家庭の教育の話題を取り上げた各種メディアによる情報に接するようにしておくと、問題意識をもってテキストの学習に取り組むことができます。同時に、テキストで学んでいることが現実社会の動向とつながっていることを理解でき、大学で学ぶ意義を感じ取ることができるでしょう。各科目のテキストは、学習指導要領をふまえて解説されていますので、折に触れてひもときながら学習することをお勧めします。テキストの内容理解が広がり、また深まります。教員採用試験を受験する際にも、教員になってからも活用できますので、惜しまずに投資して欲しいと思います。学光ポータルTOPページの「学修支援だより」から2022年4月以降の「自立学習入門講座」が閲覧できます。それ以前の過去の内容は、同じく学光ポータルTOPページの「デジタル副教材」から閲覧できます。CHECK! 教職に関する科目:2−1教育学と心理学をバックグラウンドとして教員免許状を取得するための教育課程には、大きく3つの科目群があります。まずは教職に関する科目です。これには、上述の教育学、心理学の内容が入っています。これらについて基準になっているのが文部科学省の「教職課程コアカリキュラム」です。皆さんが履修している教職課程、各科目のシラバスも、これに基づいて作成されています。各教科の指導法:2−12−2学習指導要領を基本に教員免許を取得するためには、国語科教育など、各教科の指導に関する科目群(幼稚園の場合は、保育内容の指導法に関する科目群)を学ぶ必要があります。ここで必要になるのが、「学習指導要領」と「学習指導要領解説」(幼稚園の場合は「幼稚園教育要領」と「幼稚園教育要領解説」)です。安価で市販もされていますし、文部科学省のホームページから入手することができます。 教科に関する科目:2−3必要に応じて学び直しをこれは、教科に関する専門的事項(幼稚園の場合は、領域に関する専門的事項)であり、国語科であれば言語学や文学というように、各教科の背景にある学問について学び、各教科の見方・考え方を理解するための科目です。これらの学習を通じて各教科の授業を担当する上での基礎知識を身につけることができます。誰にでも苦手な科目があり、ついつい遠ざけてしまうものですが、テキストの学習のためにも、この機会に学び直して基礎知識にしてください。一般にも学び直しのニーズは強いものがあるようで、大人向けに、義務教育段階の内容を学び直すための本が数多く出版されています。結びに自立的な学習による充電とそれらを生かす発電を繰り返すプロセスは価値創造の人生そのものです。このプロセスに大切なのは向学心の持続でしょう。皆さんのご健闘を応援しております。
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