学光Vol.8 秋号(一般公開用)
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816LIGHT OF LEARNING vol.アラバエフ・キルギス国立大学で日本語の授業を担当する岡山さん文学部人間学科 4年次岡山 陽子 さんキルギスで教壇に立つことが決まり、日本語教員の資格取得を考えはじめた時、創価同窓の友から、創大通教で資格取得を目指せることを聞きました。メディア授業やオンラインスクーリングなど、海外での生活でも充実した学習ができること、何より「創大で学ぶことで“人間教育の哲学”に根差した日本語教育の専門性を磨ける」と、2023年の春に文学部に入学しました。初年度は、渡航準備やロシア語の学習、慣れない現地での活動や生活に追われ、通教の学修は思うように進みませんでしたが、現在は、現地の大学に附属する日本学院の学生に教えながら、レポート作成にも挑戦しています。当初、日本や日本語について学生から質問されても、どのレベルの日本語で伝えてあげてよいのかがわからず、悩むことも多かったのですが、“教育の現場”と“通教の学び”を往復する中で、学んだことをすぐに実践できることが楽しく「最高のタイミングで学べているな」と感じています。「日本語教育概論」を受講した際、日本語学習者の動機やバックグラウンドが多様化する中での「社会福祉(Welfare)としての日本語教育の使命」というお話に大変感銘をうけました。人それぞれに異なる状況に対応する必要性の高まりは、社会福祉の分野で学んできた「パーソン・センタード・ケア」という概念にも相通ずるもので、これまで重ねてきた経験や学びを、日本語教育の分野で活かしていく使命を感じることができました。私が学部生だった2008年、アラバエフ・キルギス国立大学より創立者に名誉博士号が授与されました。そして、その式典の中で創立者は“私はキルギスに行けなかったから、キルギスに行ってね”と呼びかけられました。あれから16年経ち、縁あってキルギスに来ることができ、奇しくも、同大学の教壇に立つことができています。赴任してすぐ、同大学で、創立者の著書を通して、教員や学生らが語り合う場に立ち合わせていただく機会がありました。出席者からは、「池田先生の偉大な哲学を学ぶため、皆で日本語を学んでいきましょう」との話があり、あらためて自分の使命を思い、感無量でした。“人間教育の哲学”を実践し、伝えられる日本語教育者を目指し、努力を重ねてまいります。 ンタビュー海外への憧れと社会福祉幼いころから、創立者のように世界を飛び回り活躍することに憧れ、創大に進学し、海外でのボランティア活動も経験しました。卒業後の進路を考える中で、介護福祉の分野に魅力を感じ、就職しました。努力や熱意を認められ、新卒としては異例でしたが、福祉先進国のスウェーデンで研修を受けさせていただきました。スウェーデンでは、高等教育で認知症ケアについて学ぶため、街の人たちが皆、認知症の方への接し方を知っています。そんな福祉先進国の姿に、福祉の現場にこそ、一人をどこまでも尊重する“人間教育の哲学”が欠かせないことを実感。「学んだことを世界に伝えたい」と、その後、JICA海外協力隊の一員として、南米ペルーに赴き、日系ペルー人向けのデイサービスで活動しました。日本での就労経験がある現地の方々と縁し、また、自分自身が海外で外国人として働く経験をし、外国人労働者支援の重要性を痛感。帰国後、社会福祉士の資格を取得し、ソーシャルワーカーとして慢性的な人材不足やコロナ禍という日本の介護の将来を考えさせられる経験を重ねました。そんな中、日本での就労を希望するキルギスの若者に介護技術を教えるという、現在の国際協力活動に巡り合いました。「学び、教え」「教え、学ぶ」“創立者と共に”使命の道を仕事をしながら学ぶことは“自分との闘い”です。昨年度は「レポート書かなきゃ」と思いつつ、「大変だから、明日にしよう」を繰り返し、取り組み始めた時にはどうやっても締切に間に合わないという状況に陥った反省から、今では締切などのスケジュールを全て書き出し、期限までに「とにかく読み、とにかく書く」と腹をくくって頑張っています。 Interviewsキルギス在住通教生

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