824ゆ人間の人間たる所し思な“感謝”とは、「他人から為おんち“知恩ふ父じ学生に最大のエールを送り続けてきた。そこには、“慈LIGHT OF LEARNING vol.(本稿は『池田思想研究の新しき潮流』(創価(本稿は『池田思想研究の新しき潮流』(創価(本稿は『池田思想研究の新しき潮流』(創価大学通信教育学会編 第三文明社刊)に収録さ れた内容に、一部加筆をして掲載しました。)まがりまがりまがり鈎 治雄名誉教授鈎 治雄名誉教授創大通教における池田大作の人間教育の真髄は、自身の人間観や人間性から湧き出た、学生たちとの自然な語らいや振る舞いの中に見て取ることができる。そして、その池田の尊い言行は、学び続ける学生や卒業生の心を、赤々と照らし続けている。池田は、常日頃から、誰よりも“感謝の心”を大切にしてきた。たとえば、最愛の創大生や学園生に対して、入学式や卒業式はもとより、度有るごとに「お父さん、お母さんを大切に!」という言葉を口にし、語りかけてきた。は、お世話になった人々に対する“感謝の心”を絶やさないことにある。そして、その“感謝の心”は、まず誰よりも、自らの“親”に向けられるべきであるというのが、池田自身の強い信念でもあった。「お父さん、お母さんを大切に!」という心からの叫びはまた、自らが創立した学び舎に、最愛の我が子や孫たちを送り出して下さった、年輩の通教生や保護者に対する、池田自身の最大の謝辞でもあったに違いない。”とも称される人間的としての最も尊い営みに他ならない(中村元訳『ブッダのことば』岩波文庫p309)。“知恩”、“報恩”は、池田自身が学生たちに最も伝えたかった生き方の原点でもあった。池田の人間教育の魅力は、通教生に対する大きな抱擁力と、不断の激励の中にも垣間見ることができる。池田は、これまで、通教の夏期や秋期、地方でのスクーリングが開講される度に、必ず、真心からの励ましのメッセージを伝え、学びに挑戦し続けるの温かいまなざしと優しさを感じ取ることができる。えん以されたことを感じ知ること」であり、そして今一つ、創大通教の人間教育の真価を裏付ける上で、見逃すことのできないことは、学生たちが皆、創立者である池田を慕い、その期待に応えようと真剣な学びに挑戦し続けてきたことである。そして、池田の信念は、人生という航海に乗り出した卒業生の心をも、永遠に強く照らしゆく“心の灯台”として、光を放ち続けている点にある。かつて、『創価教育学体系』が世に出た直後の昭和6年2月、東京帝国大学文学部教育学科が主催する教育学談話会に牧口常三郎が講師として招かれたことがある。その折り、同席していた一人に、山本晴雄という明治生まれの心理学者がいた。晩年、彼は縁あって、尊敬する牧口の教育精神を継承する創価大学の教員として奉職することになる。その彼が、仕事で大きな課題や困難に直面する度に心がけていたことは、「牧口先生ならどうなさいますか」という心の中でのしん深な問いかけであったという(『創価教育学体系 別巻 解題』第三文明社 p.120)。彼はまた、通教生を誰よりも愛する教員の一人であった。その通信教育部も、明後年で開設50年を迎える。その大きな節目にあたって大事なことは、前述の山本の振る舞いにみられるように、通教生や卒業生が行き詰まったときや、人生の岐路に差しか掛かったときに、“創立者との誓い”という原点に立ち返ることであろう。それは、創価の人間教育が永遠に輝きを放ちゆくために、そして一人ひとりが自立した人間として、社会に大きく貢献しゆく”として上でも、決して忘れてはならないことである。おわりに
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