学光Vol.9 冬号(一般公開用)
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教職指導講座2025年度(2024年実施)の教員採用試験(以下「教採」)も通信教育部生の結果はとても素晴らしいものでした。多くの友が合格を勝ち取り、この4月から「新任教員」として教壇に立ちます。今回実施の教採をふり返って見えてきたことを整理してみます。ちなみに昨年は、静岡県の5月11日(土)を皮切りに、中部、関西地方は6月15日(土)、北海道、九州、沖縄地方は6月16日(日)に実施しました。東京都と神奈川・千葉・埼玉県は、従来通り7月の第一日曜日の7月7日でした。今後一次試験日はさらに早まりそうです。<一次試験突破のために>教採を勝ち取るためには“一次試験突破”が最重要のカギになります。やるべきことがたくさんある中での教採受験ですので、特に次の2点に集中して取り組みましょう。相手を知るまずはなんといっても、受験する自治体の過去問チェックです。それぞれの自治体ごとに過去6~7年分の問題が収められた問題集が市販されています。どのような問題なのか出題傾向を知ることが大事です。己を知る過去問の傾向から見て、大丈夫そうなところはどこか、反対に、どこに力を入れて勉強しなければいけないかを見極めていってください。限られた時間です。力の入れどころをはっきりさせる必要があります。特に、学習指導要領や教育法規などは普段あまり目にしないものなので、常に資料を手許に置いて目を通せるようにしておきたいですね。今回教採を受験した学生のみなさんから二次試験の様子を聞いた感想は、これまで以上に「人間性と実力を兼ね備えた人材を求めている」ということです。それは、個人面接での試験官とのやり取りから強く感じます。いわゆる受験者の回答に対する「深掘り」です。緊張しながらも精一杯回答した内容から深く掘り下げて、教員としての資質や人間性を見ようとする意図が感じられます。れます。「〇〇についてどう思いますか」「◇◇だと思います」「なぜそう思うのですか」「△△だと思うからです」ここまではよくあることですが、そこを切り返されて「もし、△△が上手くいかなかったらどうしますか」等と質問され、なんとか答えると、そこからさらに「それでも上手くいかなかったらどうしますか」と、とことん深く掘り下げられたという声が多く聞かれました。これはその受験者の持っている「コンピテンシー」、すなわち目には見えにくいその人の価値観や性格などを見ようと深掘りしているのです。単に机上だけではない教員としての適性や資質、人間性を見ている傾向が強くなっているといえます。つまり、人物重視です。これは通教生のみなさんにとって大チャンスです! 働きながら、あるいは家事や子育てをしながらなど、多くの通教生のみなさんが両立、三立に挑戦しています。日々人間性と実力を磨いています。そうした中で教職を目指して学び、努力していること自体、すでに人間教育者への確かな準備をしているといえるでしょう。「最後の事業は教育」と創立者はおっしゃいました。子どもたちの幸福の実現のため教採の合格を勝ち取って人間教育の道を共々に歩んでいきましょう。<個人面接の場の例>たとえば、以下のようなやり取りが行わ<結びに>結論として挙げたいのは「絶対に合格するぞ!」という強い決意です。「心の固きによりて」必ず道は拓けると確信します。講師 栗本 賢一 多くの自治体で教採 実施日が早まっています文部科学省は2023年1月に、教採一次試験の実施基準日を早めるよう全国の自治体に要請しました。これを受けて、一次試験日が早まった自治体が全体の半数を超えました。―2025年度教採をふり返りつつ―多くの自治体で倍率が 下がってきています受験倍率が下がってきています。2025年度は、全体の過半数の自治体で最終倍率が2倍以下です。ちなみに東京都は、一次試験が1.3倍、二次試験は1.07倍、最終倍率1.15倍となっています。これは、通教生にとって大きなチャンスといえます。一次試験の筆答が完璧にできなくても、ある程度の点が取れれば“一次合格”できる可能性が十分にあります。 どの自治体も人間性と 実力を兼ね備えた人材を 求めています二次試験は個人面接が主となります。その他に、小論文や模擬授業、集団面接や集団討論、場面指導、実技試験など、自治体ごとに特色があります。これらへの備えももちろん大事です。※創大教職キャリアセンターや通教主催の「対策講座」が組まれますので、都合のつく限り申し込んで参加することをお勧めします。教職指導講座2026年度(2025年実施)教員採用試験に向けて1237

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