大学HPアップ用-学光11号(一般公開)
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教職指導講座・日本語教員特集また、東京都の教員全体の離職率も公表されました。離職率は5.7%(対前年比0.8ポイント増)であり、過去10年で最も高い結果となったようです。本学では合格後の教員の状況を正確には把握できていませんが、1年未満の離職者や休職者が毎年数名出ているようです。識や能力として身に付けておくことは、教員となった時にその使命を果たしたり、自身の立場を守ったりすることにつながります。そこで、教員として採用された先のことも見据えて、以下のことを教採対策講座でお話ししています。一次試験や小論文、面接では、教員としてすべきこと等を定めた根拠法令や学校の課題に対する解決策などが出題されています。それは、そのことが教員としての仕事に必要不可欠であるからです。しかし、そのことをつい忘れてしまい教採合格のためだけに勉強を進めている人も少なくないようです。そこで、私は一次試験や小論文、面接への勉強を、教採対策のために行うことはもちろんのこと、教員として採用された後の指導や諸課題の解決、様々な対応にも役立つことをお話ししています。応募者数は2023年度採用以降増加傾向にあり、東京都では前倒し受験等の効果により選考倍率の低下に歯止めがかかったと言えるかもしれません。しかし、他県では定員割れをしているところもあり、教員不足の問題は未だ深刻です。そこで、私は面接や小論文対策講座で皆さんに個性や信条について質問をします。そして、そのことを基にして質問に答えたり、課題に正対した論立てしたりする方法を一緒に考えています。また、そのことが教採合格の大切なポイントであることに加え、合格後の子供への指導や学級、学校経営においても役立つことを加えてお話ししています。准教授 小林 理とも人ひと11❶ 離職者の増加昨年度の東京都教員採用試験で条件付採用となった教員の任用状況が公表されました。新規採用となった3472人のうち、採用年度内で退職をした教員が全体の4.9%(169人)だったそうです。これは、過去5年間でもっとも高い割合で、そのうちの約7割が小学校の教員でした。そして、その約半数が病気を理由としたものでした。❸ 採用後を見据えた教採対策教採で問われていることは、教員となった際に必要な内容であり、教員として求められる資質・能力です。それを教員になる前に知⑴ 教採対策の目的を明確にする教員は児童・生徒への指導はもちろんのこと、予測不可能なことへの対応が日常的にあります。その際に役に立つのが教員として身に付けた知識や能力です。❹ 結びに教員不足や離職者の増加は一朝一夕には解決できる問題ではありません。社会全体で取り組む困難な問題です。しかし、教員をめざす皆さんにもできることがあります。それは、今進めている教採対策を教採合格という大きな目的に加え、皆さんの合格を待っている子供たちの笑顔のために行うことではないでしょうか。❷ 選考倍率の低下に歯止め?今年度の東京都教員採用試験の応募者数が前年度比598人の増加となり、倍率が3.1倍だったことが公表されました。そのうち新卒者の応募数が前年度比の112.8%に増加しました。⑵ 個性や信条をもとに考える左記のことは面接や小論文の教採対策としてお話ししていることです。面接の際に問われる学習や生活指導での対応や小論文で出題される課題には正解がありません。教員としての職責や専門性を踏まえた自分の個性や信条に基づいた考えが求められます。そして、その個性や信条こそが教員としての指導や対応の基盤になります。私は4月から教員採用試験(以下「教採」)対策講座を担当させていただいております。皆様の教職に対する強い熱意が良い結果に結びつくことを願い講座を行っております。そして、その際に、常に意識したことは、「教採対策としてだけではなく、その先も見据える」ということです。教職指導講座今年度の教員採用試験を振り返って・次年度の教採に向けて

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