大学HPアップ用-学光11号(一般公開)
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ご家族との写真(左からお母様、お兄様、河合さん本人)矛盾するようですが、「限られた時間の中でスケジュールに追われるからこそ勉強がはかどる」という側面があったのかもしれません。仕事や地域での活動もあり、時間がないことはわかりきっているので、常に教科書や資料を持ち歩き、図書館で必要な本を借り、暇ができれば目を通し、土日にはレポートに集中、というように、時間がないからこそ、学修計画を立て、リズムをつくれたのがよかったように思います。レポート作成を含む法学部の学習全般にわたって『法律学小辞典』をとても重宝しました。 2023年、創立者のご訃報に接しました。ちょうどそのころ、勘違いで卒業に必要なスクーリング科目を修得できていないことが判明し、もう1年在籍が必要になりました。「創立者にご恩返しするため、創大生としてやるべきことがあるのかもしれない」と、考えを巡らせた結果、宅地建物取引士試験への挑戦を決意しました。勉強を始めてみると、年齢のせいか記憶力が大きく減退していることに気づかされました。少し前に憶えたはずのことが、まったく頭に入っていない現実。「それならば、何度も、何度も、繰り返して覚えるしかない」と同じことを何度も積み重ねる、名付けて“ミルフィーユ作戦”を敢行。試験範囲の膨大さに音を上げそうになる中で迎えた2024年の夏期スクーリング開講式で、学長や通教部長が紹介された創立者のお言葉に改めて奮起。何とか合格を果たすことができました。決め手となったのは、創大生向けのオンデマンドのWEB資格講座。試験対策としては、これが一番効いたと思っています。宅地建物取引士試験に合格18 Interviews兄が行きたかった法学部へ小学生の時に父を、25歳の時に兄を亡くしました。闘病中、創大通教の説明会に参加した兄は、目を輝かせて、「病気を克服して通教に行って、法律を学びたい」と語っており、その姿を忘れられずにいました。東京での生活を経て地元・岐阜に戻り、かつて父が経営していた会社の経営を引き継ぎ、負債の整理などの困難を“負けじ魂”で乗り越えてきましたが、コロナ禍が人生を見つめ直すきっかけとなりました。「いつか兄が目指した通教に」と思っていましたが、「今がその時ではないか」と、2022年春、兄が目指した法学部に3年次編入学しました。“資格”で創立者にご恩返し最初は「法学」というものがつかみにくかったのですが、概論から順に学ぶうちに、法律が実社会に、市井の人々の暮らしに、また自分の仕事とも密接に関係していることがわかり、学ぶのが楽しくなってきました。「民法」「商法」「家族法」「労働法」…次々に興味を覚えて履修し、結果的に、卒業に必要な単位数を大きく超えて146単位を修得していました。創大だから、がんばれる他大学を卒業した私にとって、牧口常三郎先生、戸田城聖先生、そして創立者池田大作先生の教育理念が体現された創大の教育環境は本当に魅力的で、自分がその中にいることができる、ということ自体が、時間のない中で充実した学生生活を過ごすことが出来た何よりの心の支えだったように思います。創立者は「分断は悪、結合は善」と述べておられましたが、現代の社会には、ますます“善の連帯”が求められていると確信しています。思えば、兄が通教を志したのも、折に触れて創大の素晴らしさを語ってくださっていた方がいらしたからでした。私も、宅地建物取引士の資格をはじめ、学んだことを生かして人と人を結び、社会に安穏、繁栄、平和の価値を創造できるように、「生涯青年の気概」で創立者とともに、学びの人生を歩んでまいります。卒業生インタビュー Story

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